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「国際ビジネスで問題が起こった場合、助けられるのは自社・自分自身」

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「国際ビジネスで問題が起こった場合、助けられるのは自社・自分自身」
海外でのビジネスは、想像以上にドロドロした部分を見せつけられることもあるかと思います。大金を投じたはよいけれど、騙されるような形で全額失ってしまう日本企業、および、個人経営者の方も多数おられます。

そのような事態が起こった場合、日本とは法律も異なる異国で、親身になってくれる、しかも日本語ができる弁護士を探すのは容易なことではありません。また日本からの弁護士が現地の法廷に立つことはできませんので、現地の弁護士に依頼したとしても、最終的に頼りになるのは自社・自分ということになるでしょう。

しかし、こうした事例が多いからといって、怯む必要はないと思います。こちら側が現地の状況をきちんと把握していれば、相手(現地のパートナーなど)はいい加減なことはできないものです。そのためにも、しっかり自社で対策を練り、実践的な英語力を身につけ、事前調査を念入りにしておく必要があるのではないかと思います。良きパートナーと出会えれば幸いですが、何が起こっても対応できるリスクマネジメントだけは万全にしておきたいものです。

反対に、こうした問題を自社・自分自身がクリアできた時に、海外ビジネスの醍醐味を実感できるのではないでしょうか。また、良きパートナーと出会うことも可能になってくるのではないでしょうか。

本ブログでは、5回にわたり、『国際ビジネスの基本』と、『日本企業の海外撤退の要因』を投稿してきました。くどいようですが、下記の投稿記事の内容は、実際に自分が海外で経験したことですとか、現地で日本企業の方々が直面している問題を拝見し、お話しを伺い、分析してまとめたものです。一人でも多くの方にお読み頂ければと思います。


■国際ビジネスの基本

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「国際ビジネスで最も重要なことは、思い込みを捨てること」2019/07/0720190609075220c32@x15x60.jpg
「国際ビジネスでは、どのような『事前調査』が必要か?」2019/06/13

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「国際ビジネスでは、どのような『語学』が必要なのか?」2019/05/23


■日本企業の海外撤退の要因

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「日本企業の海外撤退の理由を分類して分かったこと」2019/05/02

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「日本企業の海外撤退の理由とは?」 2019/04/27


写真:奈良順子

「国際ビジネスで最も重要なことは、『思い込み』を捨てること」

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日本企業の海外進出にあたり、「語学」と「現地密着型の事前調査」の重要性は下記に記載してあります。この二項目は、海外進出には欠かせない基本であり、「リスク・マネジメント」としても重要な事項ではないかと思います。ぜひ、ご一読下さい。

「国際ビジネスでは、どのような『事前調査』が必要か?」2019/06/13
「国際ビジネスでは、どのような『語学』が必要なのか?」2019/05/23

上の二項目に加え、というか、そのこと以前に、心がけるべき重要なことがあると思います。

それは、自分の思い込みを捨てよう、ということです。

すでに投稿済の「語学」「事前調査」もそうですが、下記の二項目も、長年にわたる国際社会でのビジネス経験と、様々な国の友人との関係から、私自身実感したことです。何らかの教科書を引用したものではありません。

「海外進出の心がまえ」
1.親日・反日という自分が抱いているイメージを捨てる
2.先進国・欧米だから、途上国だから、という人種に関する潜在意識をリセットする

1.「親日・反日という自分が抱いているイメージを捨ててみよう」
国際ビジネスでは親日・反日は一切関係ないでしょう。たとえ相手が親日だとしても優遇されたり、ビジネスを助けてもらえるわけではありません。こちらの思い込みが強いために、裏切られたような気持ちになったり、落胆することにもなるでしょう。また、何でも善意にとってしまい、こちらの脇があまくなり、思わぬ事態が起こることも有り得ますので注意しましょう。

反対に、反日だからといってビジネスを拒否されることもありません。あくまでもビジネスですので、相手企業は自分たちの利益を最優先し、同時にウィン・ウィン関係が成立できればと思っているのです。親日・反日などという感情論よりも、商品・サービスは何なのか、どれほど利益を上げられるのか、交渉相手の能力はどれほどなのか、が彼らにとって最も興味のあるところです。こちらも親日・反日などのイメージを捨て、自社の商品に自信をもち、強い気持ちで交渉に臨みたいものです。

2.「先進国・欧米だから、途上国だから、という人種に関する潜在意識をリセットしよう」
進出する国や国民に対し、先進国とか途上国とか、また人種に対しても潜在意識は誰にでもあるかと思います。しかし、これも親日・反日と同じと言えるでしょう。欧米だからと恐れたり、卑屈になったりすることは、自分を不利な立場に最初から置くようなものです。交渉も相手の言いなりになって終わってしまうでしょう。

反対に、相手は途上国なのだから、遅れているから、などと傲慢な気持ちをもっていると、煮え湯を飲まされることになりかねません。国際ビジネスでは、先進国、途上国、人種などは関係ないと思った方が良いかと思います。

「卑屈になる必要もないですし、傲慢になる必要もありません。自分自身が強くなること」
先進国であったとしても、永遠に先進国ということもないですし、途上国だからといって、永遠に途上国ということもないでしょう。とくに近年はその立場は逆転さえする兆候が出てきています。それほど世界は目まぐるしく変化しているのではないでしょうか。ですので、相手がどの国であれ、誰であれ卑屈になる必要もないですし、傲慢になる必要もないと思います。

相手側は、こちらをあくまでもパートナーとして、または従業員として、どれだけ能力があるのか個人を見ようとします。こちらは、どの国にも、誰にも負けない商品・サービスの提供に集中することだと思います。それと同時に、相手の人間性などをしっかり観察する必要があります。言いたいことを言いあえる、という対等な立場に立ち、はじめて信頼関係が生まれるのではないでしょうか。

海外進出をした日本企業の約4割が撤退している現状です。ですが、すでに投稿済みの「語学力」「事前調査」の強化に加え、親日・反日、また人種・民族などに対する先入観を捨て、卑屈になったり、傲慢になったりぜず、自分たちの商品・サービスの強さをきちんと示すことで、海外ビジネスも大きな成果をあげられるのではないでしょうか。

周りに振り回されず、自分自身が足を使い、体験を積み、実感し、分析し、時には痛い思いをすることもあるかと思いますが、強くなることだと思います。

「国際ビジネスでは、どのような『事前調査』が必要か?」

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国際ビジネスにおける『語学』の重要性は、下記の記事に掲載してあります。ぜひ、一読下さい。

「国際ビジネスでは、どのような語学が必要なのか?」

本日は、国際ビジネスの『事前調査』についてお話ししたいと思います。

日本企業が回答したアンケート調査(日本政策金融公庫)の撤退理由を拝見しますと、以下のことが主な理由として挙げられています。

・製品需要の不振、販売先の確保困難
・管理人材の確保困難、現地パートナーとの不調
・賃金の上昇、主力販売先の移転・撤退

私自身アジア諸国に5年ほど滞在し、さまざまな企業との関わりや人々との会話を通し、私も上の三項目はとても難しいことなのだと実感しています。やはり、現地での肌感覚ともいえる事前調査がどうしても必要なのだと思います。

では、上の問題を回避するためには、どのような事前調査が必要なのでしょうか。

「国際ビジネスではどのような事前調査が必要なのか?」
1. 「立ち位置を知る」自社の製品・サービスを、現地の人々は内心どう思っているのかを肌感覚で感じとる
2.「人間関係」幹部、従業員、パートナーの習性などを含め、現地特有の人間関係・雇用問題を肌感覚で知る
3.「急激な変化」法律などの急激な変化はいつでも起こり得ることを想定し、すぐに対応できる感覚を身につける

こうした内容は、現地で実際に動かない限り、感覚がつかめないことではないでしょうか。

では、具体的にどのように調査したら良いのでしょうか?

「現地に密着した事前調査の方法」
こうした調査を行うには、現地の人々の中に入り込み、肌で感じるまで足を使い、あの手この手で会話をし、分析し、自ら感覚的に感じ取るしか方法はないでしょう。一歩海外に出ると方程式などはなく、ハプニングが頻繁に起こり得るからです。

国や地域によっては、法律・ルールが急激に変わりますので、常にアンテナを張ることだと思います。海外では、どこに行っても、重要なことは、メモをその場でとり、相手の説明や氏名を書き込んでおくことはとても重要です。日付、時間の記入も忘れないで下さい。

現地の市場調査といえば、その国や地域に早くから溶け込み、十分に年月をかけ、現地型の事前調査を行う外国企業は多数存在します。しかしながら、資金面と人材面でよほどの体力がない限り、なかなかこうした調査に年月はかけられないと思います。そこで、実際に進出しながら、また、進出を果たした後も、上の三項目を重要課題とし、アンテナを張り、運営されることが望ましいかと思います。

そうすることで、撤退の原因を緩和できるのではないでしょうか。

「現地密着型のマーケティング」

これは余談になりますが、

上の写真は、フィリピンに進出している韓国企業です。離島にまでこうして宣伝カーを走らせています。

最初に興味を示すのは子どもたちなのかもしれません。こうして見物にやってきた子どもたちが、この社の製品について親に話をしたりするのではないでしょうか。そして、10年後・15年後には子どもたちが大人になり有力な購買者になるわけです。長期展望をも視野に入れた宣伝活動なのだと思います。その国や土地にあったマーケティングが必死に行われていることに気づかされます。

偶然かどうかはわかりませんが、この写真の約1年半後となるLGの売上は、生活家電部門で史上最大利益を更新した、との報道がありました(東亜日報 2016/07/25)。

しかし皮肉なことに、日本企業の海外撤退がピークの年でもありました。

国を問わず、どの企業におきましても浮き沈みはあるかと思います。しかし、これは海外で実感したことですが、日本の製品・サービスは非常に優れていると思いました。海外におきましてもぜひ勢いを取り戻して欲しいと願います。海外では何事も慎重になる必要がありますが、同時に勢いと行動力が重要だと思います。

なお、下記の投稿記事も併せてお読み頂ければと思います。

「日本企業の海外撤退の理由を分類して分かったこと」2019/05/02

「日本企業の海外撤退の理由とは?」 2019/04/27



写真:奈良

「国際ビジネスでは、どのような語学が必要なのか?」

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「日本企業の海外撤退の理由を分類して分かったこと」2019/05/02

「日本企業の海外撤退の理由とは?」 2019/04/27


日本企業の海外撤退が2000年以降顕著となっていますが、撤退理由は上の投稿記事に記載してあります。ぜひ、ご一読下さい。

撤退した企業の理由を拝見し、これはあくまでも私個人の見解ですが、語学力と事前調査の不足が要因ではないのか、と思っています。

本日は、その「語学力」に焦点をあてお話ししたいと思います。下記は何らかの教科書を引用したものではなく、私自身、約5年間アジア諸国(東南アジア含)に在住し、数々の経験から実態を把握し、まとめた項目です。

「国際ビジネスではどのような語学が必要なのか?」
非英語圏であっても、今日、ビジネスに携わる人たちは国を問わず流暢に英語を話すようになってきました。国際ビジネスの共通言語は現在のところ英語ですので、とくに海外進出をする場合、日本人経営者、または、現地責任者・駐在員は以下の内容を問題なくこなせる英語力が求められるでしょう。

1.「ウォーミング・アップ」挨拶などさりげない英会話で相手の雰囲気を読み取る
2.「説明・説得」自社の製品・サービスを克明に説明でき、他社の製品との違いも明確に述べ、どのようなメリットがあるのか、英語で説得できる
3.「掘り下げる」契約等の内容について掘り下げて英語で話し合える
4.「問題解決」契約違反・訴訟・急激な変化などが起きた場合、英語で対応できる
5.「法律」進出した国の法律を英語で把握できる
6、「記録」上記1-5をフォーマルな英語で文章化(記録に残す)できる

国際ビジネスに携わる外国人は、国を問わず、上の項目を英語で自由に操ります。

しかし、日々忙しい日本人経営者が、英語が苦手の場合、どうしたらいいのでしょうか。

「英語が苦手な社長さんはどうしたら良いのか?」
自ら英語を話さなくても、自社の内容に精通している日本の社員の方か通訳を自前で揃え、正確な英語で交渉していくことが望ましいと思います。気軽に現地の弁護士や通訳に依頼するのは極力避けた方がいいでしょう。誤訳という致命的なことも起こり得るかもしれませんし、間違った情報を提供されることもあります。海外ではとくに、思いもかけないことが起こりますので、責任者を中心に日本側の通訳や社員をまじえ、しっかり日本サイドで上記の内容1-6を把握し、こなせるようにしておきたいものです。

また、英語が苦手な社長さんは、どのような場面でも日本語で通した方がいいような気がします。親しみを込めて、つい、ひと言、二言、英語や現地語をしゃべってみたいものですが、かえってスキを与えてしまいます。とくに責任者の方は、海外では問題が起きることを想定しておいた方が得策かもしれません。それだけ商文化が日本とは異なるからです。

「実践的な英語力不足が足かせとなる」
現地での実践的な英語力が十分でないために、情報収集が遅れ、実情を把握できず、対応が遅れ、その結果、トラブルに巻き込まれ、会社を丸ごと失ってしまう日本人経営者は多数存在します。

もはや国際ビジネスにおいて、英語はあたりまえの世界ですので、しっかり「実践的な英語力」を身につけていきたいものです。同時に、多少時間がかかっても、上記1-6をきちんとこなせる社員の育成は必須かと思います。このことが、海外撤退の理由となっているマーケティング、人間関係、リスクマネジメント等の問題を回避するのに役立つのではないでしょうか。

「日本企業の海外撤退の理由を分類して分かったこと」

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前回の投稿記事に、日本企業が海外から撤退した理由21項目を紹介させて頂きました。(「論文・中小企業による海外撤退の実態 −戦略的撤退と撤退経験の活用−」日本政策金融公庫) https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun1502_02.pdf

「撤退理由を三つのグループ群に分けてみました」
私は、企業が回答した撤退理由①~㉑を分解し、大まかではありますが、三つのグループ群に分けてみました。

グループ1.ブランド力の低下・現地密着型マーケティングの問題 24.8%
① 製品需要の不振 11.8%
➃ 販売先の確保困難 9.4%
⑪ 原材料や部品調達の困難 2.4%
⑰ 現地における資金調達の困難 1.2%

グループ2.現地での人間関係・人的問題 30.7%
⓶ 管理人材の確保困難 10.6%
➂ 現地パートナーとの不調 10.6%
⑧ 品質・納期管理の失敗 4.7%
⑫ 商習慣・文化の違い 2・4%
⑬ 労働力の確保困難 1.2%
⑭ 労働管理の失敗 1.2%

グループ3.状況の変化に対応するリスクマネジメントの問題 28.3% (a+b)
a. 現地での状況の変化
⑤ 賃金の上昇 8.2%
⑥ 主力販売先の移転・撤退 7.1%
⑮ 優遇措置の廃止や規制・課税の強化 1.2%
⑯ 販売条件の悪化 1.2%
⑱ 賃金以外の生産コスト上昇 1.2%
b. 日本サイドの状況の変化
⑦ 日本本社の海外戦略の変更 5.9%
⑩ 日本本社の経営悪化 3.5%

・・・・・・・
⑨ 事前の調査不足 4.7%
⑲ 現地での市場競争の激化 0.0%
⑳ 他の海外拠点への移転および合併 0.0%
㉑ その他 11.8%

このように、

グループ1.ブランド力の低下・現地密着型マーケティングの問題 
グループ2.現地での人間関係・人的問題 
グループ3.状況の変化に対応するリスクマネジメント

三つのグループに分類してみましたが、各グループが連動し、企業の回答①~㉑の撤退理由も、複雑に絡み合っていることが分かります。

ただし、こうした撤退理由をグループ分けしただけでは問題の解決にはならないでしょう。

これをさらに分析し、問題の本質を知る必要があります。

「問題の本質は何か?」
私は下記の二点を挙げたいと思います。

・語学の問題
・事前調査の問題

語学と事前調査は非常に重要で、この二つが万端であれば、撤退の理由となった現地密着型マーケティングの問題、人間関係の問題、変化に対応するリスクマネジメントの問題、の三項目を解決きる可能性は十分にあるのではないでしょうか。

言い換えると、語学によるコミュニケーションと、現地のリアリティを感覚的に分かる、事前調査が必要ではないか、ということです。

問題の本質を改善しなければ、再進出しても同じ失敗を繰り返すことになるでしょう。

同金融公庫の調査によると、企業の撤退時直前の状況は、赤字 68.3%、トントン(ソコソコ) 19.5%、黒字 12.2%、ということからも、厳しい業績の中での撤退であったことが分かります。

とくに、近年は新興国からの撤退が目立つのですが、私自身、東南アジア諸国に約5年間滞在し、現地の企業や人々と深い関わりをもち、さまざまな経験をしました。

そんなことからも、日本企業が撤退を余儀なくされた理由はよく理解できます。いかに現地での商活動が厳しいかが容易に想像できるからです。

では、どのような、語学を学べばよいのか、人間関係はどうすれば良いのか、また、どのように、現地のリアリティを感覚的に体得する事前調査が必要なのか、などについて徐々に書いていきたいと思います。