Hong Bang University
Asian studies Department
Dieu Thi Bich Hai教授 「若い人たちは国や社会を良くするために頑張っています。.」Hai教授 奈良: 大変お忙しい中、このような機会を有難うございます。Hai先生は、ホーチミン市にあるホンバン大学で文学部アジア学科の教授をされておられます。本日はベトナムの「語学教育」と「若い方々」についてお話を伺いたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
Hai:
こちらこそどうぞ宜しくお願いします。
奈良:
学生の方々はアジアのどの国の言葉を学んでおられるのでしようか?
Hai:
ハンバン大学のアジア学科では、日本学・中国学・韓国学・ベトナム学が設置されています。学生たちは、そのいづれかの語学と文化を学んでいます。高校を卒業して、十七・八歳で入学してきますが、日本学はベトナムの学生の間でとても興味をもたれています。
奈良:
何故、日本学は人気があるのですか?
Hai:
日本の企業に就職したいと思っている学生も多く、日本文化に大変興味をもっています。
奈良:
先生は日本学で教鞭をとられておられますが、日本語が流暢で、このインタビューも日本語で行われています。日本語をどこで学ばれたのですか?
Hai:
1970年から三年間、日本で勉強しました。奈良県の大学で日本語研修を二年間受けて、最後の一年間は奈良女子大学で聴講生として勉強しました。自費ではとうていいけませんでしたが、奨学金で日本に行くことができたのです。
奈良:
それで日本語がそんなに流暢なのですね。ハンバン大学の日本語学は、入学試験で日本語はあるのですか?
Hai:
日本語の試験は行いません。学生たちは、入学して、初級から始めます。日本語は、週十四コマ(一コマ45分)の授業を行います。話す・聞く・読解・文法を勉強します。宿題やテストも毎回ありますし、その他、ベトナム語で、日本の歴史、文化、経済等を学んでいきます。
奈良:
ベトナムの書店に行って驚いたのですが、日本語の本がとても高いですね。
Hai:
その通りです。日本語の本はとても高いので、学生たちは、なかなか本を買うことが出来ません。

奈良:
皆さんは、どのように勉強をされているのですか?
Hai:
教科書が一冊ありますが、日本語の教材をこちらが作成して、そのプリントを使って学生は勉強しています。オンラインも十分に普及していないので、その点が大変です。
奈良:
このたびの訪問で、Hai先生の教え子でおられる、Taiさんにベトナムを案内して頂いたのですが、すばらしいです。完璧なな日本語で、語彙も多く、難しい漢字も何でも書いてしまいます。本当に努力なさったのだと思いました。その上とても礼儀正しく、とても信頼できる方だと思いました。
Hai:
そう言って頂けて嬉しいです。 若い人たちは国や社会を良くするために頑張っています。
「教育で最も重要なことは教える側の熱意だと思います。」Hai教授奈良:
生徒さんたちは十分に本もないのに、頑張って力をつけてこられたのですね。また、そのような大変な状況の中、Hai先生は長年教えてこられたのですね。本当にすごいことだと思います。色々な環境があると思いますが、先生は教育の中で何が大切だと思いますか?
Hai:
教育で最も重要なことは教える側の熱意だと思います。上手な教え方も大切でしよう。それと同時に、学生の学ぶ姿勢も大切です。その両方の熱意が一緒になって、初めて学生は学ぶことが出来るのだと思います。
「どの国も、若者が国や社会や未来のために頑張ろうとしているのではないでしようか。」 Hai教授奈良:
先生は、長年にわたり学生を育ててこられました。ベトナムの若い人たち、そして、ベトナムの将来についてどう思われますか?ベトナムの社会はどうなっていくと思われますか?
Hai:
若い人たちが育っていますので必ず良くなっていくと思います。自分が若い頃は、ベトナムの復興のために何でも一生懸命やってきました。その点に関しては、現在のベトナムの若い人たちも一緒だと思っています。大学の夏休みも自分の故郷に帰らないで、ここホーチミンで社会活動に励んでいる学生が大勢います。
奈良:
学生さんたちはどのような活動をなさっているのですか?
Hai:
青年館での活動では、毎年、学生たちが、遠い田舎に行って、貧しい子どもたちの勉強の手伝いをしています。また、毎年夏休みに、日本の学生が来て下さり、ベトナムの学生も参加して、一緒にマングローブの木を植えています。心から喜んでこうした活動に参加しています。今植えている木が未来のベトナムに繋がるからです。ベトナムの将来はきっと良くなると思います。

奈良:
日本の若い人たちも来て、木を植えているのですね!未来のために、そして誰かのために何かをするって素晴らしいことなのですね。
Hai:
どの国も、若者が国や社会や未来のために頑張ろうとしているのではないでしようか?
奈良:
本当にそう思います。先生の想いやご教授が生徒さんたちに伝わっているのだと思います。私たち大人は、そうした若い人たちのためにも頑張らなければ、と思います。
Hai:
その通りだと思います。
奈良:
先生は、日本語が流暢であられ、本日は日本語でインタビューさせて頂きました。私自身、Hai先生から沢山のことを学ぶことができました。本日は貴重なお話を有難うございます。こころより感謝申しあげます。